水虫(足白癬)はカビの一種である白癬菌が皮膚に寄生して起こる感染症です

頭部や股も好発部位となります 一昔前は水虫と言えば働き盛りの男性がなるものというイメージがありましたが、ファッションとして通気性の低いブーツやハイヒールを長時間にわたって履く女性が増えたことなどから、近年は患者さんに占める女性の割合も高くなっています。

私たちは通常「水虫」と呼んでいますが、医学的には足白癬(あしはくせん)といいます。原因は皮膚の表面を覆っている角質層のタンパク質(ケラチン)を栄養源としているカビの一種「白癬菌」です。

ケラチンに小さな傷口があるとそこから白癬菌が浸入し、皮膚を次々と侵食していきます。水虫=足とイメージしがちですが、白癬菌は栄養源のケラチンが存在して、かつ高温多湿な環境を好んで寄生するので、足以外にも、手、頭部(シラクモ)、体部(タムシ)、股(インキンタムシ)、そして爪(爪白癬)などの部位でも感染します。

病院で診察される患者数が最も多いのはやはり足に発症した足白癬ですが、指の間が痒くなったり、皮がめくれたり、足の裏やかかとがガサガサする、土踏まずや足の外側に水ぶくれができたからといって必ずしも足白癬であるということはなく、接触皮膚炎(かぶれ)やピッティッド・ケラトライシスというような細菌に感染しても同じ症状が出ます。

実際、足白癬と思って医療機関で医師の診察を受けた患者さんのおよそ30%はほかの病気だったという研究データもあります。したがって、自己判断で足白癬と決め付けて、薬局で治療薬を購入すると、症状が改善されないばかりか、かえって悪化させることもあるため注意が必要です。医療機関(皮膚科)での診察は簡単で、疑わしい症状の出ている皮膚や爪を削り取って、強アルカリで溶かして、白癬菌の感染の有無を顕微鏡で確認するだけです。

最近増えているのは、他の部位と異なって痒みや痛みなどの自覚症状を伴わないため、そのまま放置されてしまいがちな「爪白癬」です。爪白癬には、①菌が爪の両端の溝や先端の皮膚から爪に進入してつめが分厚く変形してしまうもの、②爪の根元から菌が入って爪全体が白っぽく変色するもの、③詰めの根元から菌が入って、爪の表面に付着して、爪の光沢がなくなったり、白い粉が付着したような模様になるもの、の3つのタイプがあります。

医師の診察を受けましょう 足と爪の白癬の治療には主に薬を使用することになりますが、爪白癬や足の角質部分にできる足白癬は硬い角質層が邪魔をするため、外用薬(塗り薬)では完治まで期待できません。

そこで近年は体の外側からではなく、体の内側から菌に働きかけるという内服薬(飲み薬)の開発が進んでいます。現在、日本で使用できるのはギリセオフリビン、テルビナフィン、イトラコナゾールという3種類の薬で、主にテルビナフィン、イトラコナゾールが使用されています。

内服薬には肝臓や血圧、心臓などへの副作用がでることもあるため、皮膚科の医師の診断と処方が必要です。治療を受ける前には、肝臓等の状態を把握するために、血液検査が行われます。

検査に問題がなく、無事に薬が処方された場合は、決められた用量を決められた期間続けることが重要です。また、外用薬では完治に至ることはありませんが、症状を悪化させたり、家族への感染を防ぐ目的で内服薬と併用されることもあります。

白癬菌の感染は家庭内が一番多いため、バスマットやスリッパなど皮膚で直接触れるものの共用はできるだけ避け、フローリングは常に清潔な状態を保つようにしましょう。お風呂では指と指の間を一本ずつ手で綺麗に洗うことが大切ですが、ナイロンタワシなどでゴシゴシこすると皮膚を傷つけて逆効果になるので気をつけてください。洗った後は乾いたタオルで水分を完全にふき取るようにしましょう。

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