糖尿病患者や高齢者の増加で医療行為としてのフットケアの重要性が増してきました

看護師との連携も大切 「フットケア」という言葉を聞いてイメージするのは、リラクゼーションを目的とした足浴やマッサージ、ネイルケア、これらに関連するコスメティックなどからと思いますが、医療行為としてのフットケアでは、女性に多い外反母趾の予防・治療や、たこ・魚の目の除去などをおこない、健康な状態にして、長く歩けるように足をケアすることが目的です。

そのためには、足から体全体を診ることが求められます。様々な要因から発生する足のトラブルを治療するためには、あらゆる角度からのアプローチが必要なため、多くの専門的知識や技術が必要となります。

フットケアの現場では、皮膚科、内科、血管外科、形成外科などの専門医や、看護師、理学療法士、運動療法士など多くの専門的技術者が連携して総合的な治療を行っています。社会福祉が日本よりも進んでいる欧米では、病院だけでなく、薬局ないなどにもフットケア施設が設置されており、国家資格であるフットケア指導士による施術を受けられるようになっています。また、高齢者施設でもフットケア指導士や看護師などと連携し、足のトラブルの予防と治療を行っています。

ヨーロッパで医療行為としてのフットケアが広く普及している背景には、全身を支える土台である足の機能を見直すことで、全身の病気を予防、改善することが出来るという考え方が浸透していることがあります。足のトラブルは、ひざや腰の痛みを引き起こしたり、逆に糖尿病などの疾患があると足のトラブルが多くなることがあるからです。

日本でもこの10年で医療行為としてのフットケアの重要性がようやく認識されるようになり、厚生労働省の「介護予防・地域支えあい事業」のなかに、「足指・爪のケアに関する事業」が盛り込まれました。これは、高齢者が寝たきりになってしまうのを予防し、自立した生活が出来るように支援することを目的としています。

ただし、高齢者や糖尿病患者に対するフットケアの重要性は認識されるようになってきましたが、一般の人にはまだまだ認識不足の状態にあります。例えば、爪に何らかのトラブルがあると、体全体のバランスも崩れてきます。立ったり歩いたりしているときは、足指の全てが地面についた状態が正常なのですが、指が地面につかなくなることがあります。

また、爪が厚くなると、足に力を入れにくくなったり、靴先の部分が当たり痛みが出て、歩行そのものが困難になってしまったり、転倒につながり、骨折、高齢者ならばそのまま寝たきりになってしまうこともあるのです。

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